濃いグリーンとツヤのある葉が観葉植物としても人気の「コーヒーの木」。
耐陰性があるため室内でも楽しめるコーヒーの木ですが、
長く育てているうちに弱々しくなり「このまま枯れるのでは…」と不安になっている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、コーヒーの木が枯れる主な原因と育て方のコツ3つをご紹介します。
コーヒーの木が根腐れする原因は?
コーヒーの木が根腐れする原因は水のやり過ぎ(特に冬)
コーヒーの木は暖かい時期にはよく生長します。しかし、気温が下がるにつれて生長が緩慢になります。
そのため、冬も温暖な時期(春~秋)と同じように水やりしていると、吸いきれずに残った水分が鉢内に長く停滞することになります。
その結果、根が呼吸できずに傷んで枯れる「根腐れ」に発展しやすくなります。
根腐れが疑われる時の対処法
- 土が乾くまでは水遣りを控える
- 風通しの良い明るい場所に置く
- ポットフィートや鉢スタンド等で鉢を浮かせ通気性を確保する
- 冬の水遣りは土が乾いてさらに3~4日経ってから
ポットフィートは鉢を浮かせて通気性を高める園芸アイテムです。
一週間以上、土が湿っていると根腐れを起こす可能性が高まるため注意します。
コーヒーの木が枯れる主な原因とは?
まずは、コーヒーの木が枯れる主な原因を見ていきましょう。
寒さ(10度以下)
コーヒーの木の主な原産地はエチオピア南西部のカッファ州。平均気温は約16度です。
そのため、コーヒーの木は多くの観葉植物の中でも寒さにかなり弱いという特徴を持ちます。
10度を下回るととたんに株が弱って徐々に葉が取れていきます。
コーヒーの木が枯れるのを防ぐためには、冬場であっても15度は保ち続けるのが理想です。
コーヒーの木が寒さで枯れそうな時の対処法
- 最低でも10度、できれば15度はキープすること
- 水遣りは土が乾いてさらに3~4日してから土の約1/3が湿る程度に与える
- 明るく風通しの良い場所に置く。室内なら南~東向きの窓際がよい
- 夜になったら窓からできるだけ離して冷気に当てないこと
日中は暖かい窓際も夜間になるとかなり冷え込むよ。コーヒーの木は寒さで弱りやすいから朝晩の冷え込みには要注意。
あわせて読みたい「コーヒーの木 冬の管理方法【冬越し3つのコツ!】」
根詰まり
コーヒーの木は暖かく日当たりの良い場所で管理することでよく生長します。
そのため、何年も植え替えないままでいると、鉢が根っこでいっぱいになる「根詰まり」を起こしやすいです。
コーヒーの木は根詰まりすると、根が水分や養分をうまく吸収できません。
その結果、葉が変色して落葉したり、株自体が徐々に弱って枯れることになります。
根詰まりで枯れそうな時の対処法
- 春~初夏の暖かい時期にひとまわり大きめ(直径プラス3cmくらい)の鉢に植え替える
寒くなる前の秋は植え替えを控えた方が無難。とにかく寒さに弱いから植え替え後に調子を崩してしまう恐れがある。
あわせて読みたい「コーヒーの木が元気ない…原因は?元気がないときの対処法も」
直射日光
コーヒーの木は直射日光で葉が焼けやすい植物です。
高温が苦手なため、真夏は直射日光が当たらない室内や日陰に移動する必要があります。
直射日光で葉が焼け、枯れそうな時の対処法
- 直射日光に当てない。室内なら南~東向きの窓際に置いて窓越しの光を当てる。屋外なら日陰~半日陰に置く(ただし夏は日陰へ)
- 全ての葉が焼けてしまった場合、春~秋の暖かい時期であれば切り戻して復活することもある
春~秋にかけて屋外で育てるなら遮光ネットは必須。とにかく葉が焼けやすいから気を付けてね。
病害虫
コーヒーの木の葉の色が何となく悪い時、必ず確認すべきなのが害虫の有無です。
コーヒーの木に付きやすいのはハダニやカイガラムシなど。
これらの害虫が付いた場合、放置していると吸汁によって枯らされることがあります。
とにかく早目の駆除。取り切れないなら殺虫剤の使用を検討して
- 葉や枝に白い綿状のものが湧く
- 葉がベタベタとして汚れている
- 黒い小さな虫が付いている
- 蜘蛛の巣状のものが湧く
上記のような症状がみられる場合はハダニやカイガラムシなどの害虫が寄生している恐れがあります。
手作業で取り切れそうなのであればすぐに取ってしまいましょう。
ピンセットや綿棒で確実に取り除いてください。
ただ、数が多くて取り入れなかったり、取っても再発するようであれば殺虫剤を使用するのがおすすめです。
放っておくとあっという間に増殖して他の植物にまで被害が及んでしまう恐れもある。早目の対処が肝心。
コーヒーの木が枯れそうな時にやってはいけない3つのこと
次に、コーヒーの木が枯れそうなときについついやってしまいがちな3つのことをご紹介します。
コーヒーの木が枯れそうな時にしちゃいけないこと①肥料を与える
コーヒーの木に限らず、観葉植物が弱っていると「肥料を与えて栄養を付けさせてみよう」と思われる方も多いのではないでしょうか?
しかし、弱っている植物に肥料を与えると余計に根を傷ませてしまう原因になります。
地上部が弱っている時は根もダメージを受けていることが多い
弱った根にいくら肥料を与えてもうまく吸収できません。
それどころか栄養成分が長く土内に留まり続け、根を傷ませてしまうこともあります。
肥料を与えるのは、以下4つの条件をすべて満たしている時です。
- 春~秋の生育期
- 株が弱っていない
- 根詰まりを起こしていない
- 植え替えから1か月以上経過している
ちなみに冬の肥料は基本不要。吸いきれないほどの肥料を与えると根腐れを引き起こすこともあるから注意。
コーヒーの木が枯れそうな時にしちゃいけないこと②とりあえずの水遣り
コーヒーの木が枯れそうになってい場合、とりあえず水遣りするのは控えましょう。
水遣りする前には必ず土の状態を確認してください。土が乾いているなら水を与えて様子をみます。
土が少しでも湿っているなら水遣りは控え、明るい風通しの良い場所で休ませます。
根腐れが原因で枯れそうになっている場合、水を与えることで傷みを加速させることも
根腐れを起こしている場合は水遣りを控えます。無理に水遣りするとさらに腐敗を進ませてしまうからです。
コーヒーの木の水遣りは時期によって異なります。目安となるのは天気予報の最低気温です。
- 最低気温15度以上➡土が乾いたタイミングでたっぷりと水遣り
- 最低気温15度以下➡土が乾いてさらに3~4日経ってから土の約1/3が湿る程度に水遣り
気温が下がり始める10月~11月頃は特に注意。少しずつ水やりの間隔を広げて寒さに備えよう。
コーヒーの木が枯れそうな時にしちゃいけないこと③直射日光に当てる
コーヒーの木が枯れそうになっていると、ついつい日光浴をさせてあげたくなるかもしれません。
しかし、コーヒーの木は直射日光が苦手。さらに弱っている状態で日光に晒すことは、そのまま枯らせてしまうことにもなりかねません。
コーヒーの木に適した置き場所は?
- 室内の場合…南~東向きの窓際がベスト。冬は夜になったら窓から離して冷え込みを防ぐ
- 屋外の場合…15度以上なら半日陰~日陰(夏)。15度以下なら室内の明るい場所
株が小さいうちは耐陰性も強く少ない日光でも比較的耐えられるコーヒーの木。ただし、株が大きくなるにつれてより多くの日光を欲しがるようになる。とはいえ、直射日光は×。
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コーヒーの木が枯れるのを防ぐ!育て方のコツ3つ
では、コーヒーの木が枯れるのを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、コーヒーの木が枯れるのを防ぐための育て方のコツを3つご紹介します。
コーヒーの木が枯れるのを防ぐ!育て方のコツ①「15度は保ち、寒さに当てない」
コーヒーの木を枯らすことなく丈夫に育てるには「温度」が欠かせません。
冬場でもなるべく日当たりの良い暖かい場所で管理します。
株を弱らせることなく冬越しさせるには15度は保つ必要があります。
窓際の冷気には気を付けて
コーヒーの木は日光を好む植物です。ただ、冬場は置き場所に気を付けなければなりません。
いくら日当たりが良くても、窓際に置きっ放しでは、寒さで弱ってしまう可能性があるからです。
冬場の窓際は、朝晩にかなり冷え込みます。
夜になったら窓から1mは離しなるべく部屋中央に移動させてあげるとで、寒さによるダメージを防ぐことができます。
また、 床面に鉢植えを直に置くのも要注意です。冷気は下に溜まるため、根が冷えて弱ることもあります。
鉢スタンドやラックなどを利用して、少し高さを出してあげることで寒さを防げます。新聞紙を重ねて鉢の下に挟むだけでも寒さ対策としては効果的です。
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コーヒーの木が枯れるのを防ぐ!育て方のコツ②「時期によって水やり方法を変える」
春から秋の暖かい時期は、日当たりよく風通しの良い屋外で元気に生長するコーヒーの木。
しかし、寒さが深まる冬場は生長に勢いが無くなります。そのため、水分を吸収する力自体が弱まるのが冬場のコーヒーの木です。
冬場、春から秋にかけてと同じ感覚で水やりしていると起こしやすいのが「根腐れ」。
吸収しきれない程の水を与えることで、鉢内が長く湿り続けることになります。
多湿状態が続くことで、根を傷めるだけでなく、水分によって根が冷やされ、株に大きなダメージを与えます。
冬場の水やりは、「土が乾いて3日程してからやや控えめに(部屋の温度にもよりますが目安は月1,2程度)」が鉄則です。
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コーヒーの木の水やり【季節別】
- 春~秋⇒土が乾いたらたっぷりと与える(鉢底から水が流れ出てくるくらい)
- 冬⇒土が乾いて2~3日してからやや控えめに与える(表土が全体的に湿る程度)
土が乾いたかどうかの確認方法
- 鉢を持ち上げて軽い
- 鉢底から見える土が乾いている
- 土に指を3cm程差して湿気を感じない等
コーヒーの木が枯れるのを防ぐ!育て方のコツ③「毎年5月~6月頃に植え替え」
コーヒーの木は春~秋にかけては非常によく生長します。そのため、少なくとも2年に一度は植え替えが必要です。
植え替えに適しているのは5月~6月頃の生長期初期。この時期に植え替えを済ませることで、冬に向けてしっかりと根を張らせることができます。
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植え替え直後のコーヒーの木【5月頃】
植え替えから3か月程経過したコーヒーの木【8月頃】
植え替えからたった3か月弱でここまで育つのがコーヒーの木です。毎年植え替えが必要になるのも頷けますね。
ちょっと面倒ですが、コーヒーの木を枯らさずに育てるのであれば、やはり植え替えは欠かせません。ただ、冬場の植え替えはコーヒーの木にとって非常に大きな負担となるため避けます。
※上写真のコーヒーの木は暑さと日光で少々「葉焼け」しています。真夏の直射日光は葉が焦げて傷む「葉焼け」を起こしやすいので気を付けてください。
真夏は、遮光ネットや寒冷紗を利用し、半日陰での管理が望ましいです。
ちなみに、上写真のコーヒーの木は2年程前にダイソーで購入(下写真)
こんな小さな苗木がたった2年で高さ約5倍にまで生長します。コーヒーの木の生長は早いです。姿の変化が楽しめるのも、コーヒーの木の魅力ですね。
また、コーヒーの木は「剪定しなくとも樹形が自然と整う」という特徴もあります(逆三角形)。
あわせて読みたい「コーヒーの木 ダイソー100円の植物を大きくする方法!」
水の遣り過ぎ、やり忘れでコーヒーの木が枯れるのを防ぐための便利アイテムはこれ
コーヒーの木が水遣り過ぎ、やり忘れで枯れるのを防いでくれる便利なアイテムがあります。
それが「サスティー」です。
土に挿しておくだけで土の乾き具合を測定
「いちいち土に乾き具合を確認するのは面倒…」
「できるだけ枯らしたくない…」
このような場合に重宝するのが水やりチェッカーです。土に差しておくだけで、色で水やりのタイミングを教えてくれます。
「これだけは枯らしたくない!」というお気に入りの植物に差しておくだけで、水やりの失敗を防いでくれる便利アイテムです。
- 白⇒土が乾いている
- 青⇒土が湿っている
目で見て水やりのタイミングを確認できるのは、ものすごい安心感ですよね。
観葉植物を枯らす原因でもっとも多いといわれる「水のやり過ぎ」を防いでくれます。
コーヒーの木が根腐れする原因は?弱った時の対処法を状況別で解説【まとめ】
今回は、コーヒーの木が枯れる原因と育て方のコツをご紹介しました。
コーヒーの木は他の観葉植物に比べて寒さが原因で枯れることの多い植物です。
また、生長が比較的早く、根詰まりを起こしやすいのも注意すべきポイントでしょう。
コーヒーの木が枯れる原因を知った上で現状の株をよく観察し、それそれの状況にあった対処法を試してみてください。
コーヒーの木が枯れる主な原因
- 寒さによるダメージ
- 水のやり過ぎ(特に冬)
- 根詰まり
- 直射日光
- 病害虫
コーヒーの木の育て方 コツ3つ
- 15度は保ち、寒さに当てない
- 時期によって水やり方法を変える
- 毎年、5月~6月頃に植え替えを済ます
コーヒーの木のその他topics