手のひらを思いっきり広げたような柔らかな葉が優しい印象のブラッサイア(シェフレラ・アクティノフィラ)。
同じシェフレラの仲間のホンコン・カポックに比べ、柔らかな雰囲気の漂うブラッサイアもまた人気のインテリアグリーンです。
ブラッサイアの魅力と言えば、はやりその優し気な葉ですね。しかし、そんなブラッサイアの葉が垂れる症状にお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ブラッサイアの葉が垂れる・しおれる時の主な原因と、葉が垂れるときの対処法をくわしくご紹介します。
ブラッサイアの葉が垂れるのはなぜ?原因と対処法を解説!
暑さ・寒さともに強く、比較的育てやすく初心者でも失敗しにくいブラッサイア。そんなブラッサイアの葉が垂れる場合、どのようなことに気を付けて管理すべきなのでしょうか?
今回は、時期別で葉が垂れる時の主な原因と対処法をみていきましょう。
ブラッサイアの葉が垂れる主な原因【春から秋の暖かい時期の場合】
ブラッサイアの葉が垂れているのが、春から秋にかけての気温20度~30度未満の場合、まずは、土の乾き具合を確認してみましょう。
土が乾いていますか?濡れていますか?
「土が乾いている」「水やりをしばらく忘れていた」などという場合
土が乾いている場合、過度の乾燥により葉がしおれているだけかもしれません。この場合、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与え、風通しのよい半日陰に置いて様子をみましょう。
直射日光や西日は葉を傷めてしまうため避けてくださいね。
ブラッサイアの生育が最も盛んなのが気温25度前後の暖かい時期です。乾燥に強いブラッサイアでも、生育がさかんな時期にあまりにも乾燥が続くと、葉がしおれて垂れたようになることもあるでしょう。
また、気温が25度前後の時期は、できるだけ風通しのよい屋外の半日陰に置くことで、気孔の開閉が活発になり光合成もさかんにおこなわれる傾向にあります。
遮光ネットを活用するのもおすすめですよ。植物が丈夫に育つ上で欠かせないのが、「水」「光」「風」です。
▲遮光ネットを張った植物棚
あわせて読みたい「ブラッサイアが枯れる原因を徹底解説します!」はこちら
「土が濡れている」「土が乾かないうちに水やりを続けていた」「2年以上植え替えていない」場合
土が濡れている場合や、土の表面が乾かないうちに次から次へと水を与えていた場合、根が呼吸できずに傷む「根腐れ」を起こしている可能性があります。
特に、最後の水やりから一週間以上、土が湿っているという場合は要注意。土が乾くまでは水やりを控え、できるだけ風通しのよい場所に置いて休ませます。
葉が垂れると焦ってしまい、ついつい肥料や活力剤を与えたくなるかもしれません。しかし、根が弱っている状態で養分を与えると、逆に根を傷めてしまう恐れもあります。
▲肥料は生育が盛んな時期に、根詰まりしていないこと条件に与えるのがベスト
また、2年以上植え替えをしていない場合や、鉢底から根がはみ出ているという場合、鉢内が根でぎゅうぎゅう詰めになる「根詰まり」を起こしている可能性が高いです。
根詰まりした状態を放置すると、鉢内の水はけの悪さによって根腐れを引き起こすこともあります。
▲ブラッサイアの植え替えは暖かい時期に済ませよう
あわせて読みたい「肥料と活力剤の違いとは?観葉植物に適した使い方を徹底解説!」
ブラッサイアの葉が垂れる主な原因【秋から冬場の寒い時期の場合】
ブラッサイアは熱帯地方が原産の植物です。生育適温は25度前後。そのため、15度を下回るようになると徐々に生長が緩慢になります。
そして、10度~8度以下になると徐々に葉にハリがなくなり、5度以下で株自体が弱って枯れることも増えます。
室内であっても油断は禁物で、特に暖房を切った後の夜間は想像以上に冷え込んでいることも少なくありません。また、集合住宅よりも戸建て住宅の方が冷え込みやすい傾向にあります。
▲デジタルだとひと目で確認しやすくおすすめ
ブラッサイアを窓際に置いている場合、夜になったら窓から1~2mほど離すだけでも寒さ対策になります。できればお部屋の中心近くまで移動できると安心ですね。
朝になったら日当たりのよい場所へ戻してやります。鉢が大きくて移動が難しい場合、キャスター付きの鉢置きがあると便利ですよ。
▲ダイソーで購入したキャスター付き鉢ラック
温・湿度計を設置したら、以下の表を目安に管理してみてくださいね。湿度は高い状態を好むため、乾燥する時期は葉水で株全体に霧吹きで水分を与えましょう。
温度 | 湿度 | |
人が快適と感じる目安 | 17度~28度程度 | 40%~60%程度 |
ブラッサイアが好む目安 | 20度~30度未満(25度ほど) | 最低でも50%以上、理想は70%以上 |
難しい冬場の水やりの失敗を防ぎ、管理を楽にしてくれるアイテムもある
ブラッサイアは15度以下になると生長が緩慢になるとお伝えしましたね。つまり、15度以下になると暖かい時期と比べて根っこが水を吸う力自体が弱まるということでもあります。
そのため、気温が下がっている時期に、暖かい時期と同じ感覚で水を与えていると、根が吸いきれずに残った水分が長く鉢内に停滞することになります。
その結果、鉢に残った水分が根を冷やし株を弱らせることも多いです。気温が18度を下回るようになったら徐々に水やりを間隔を空け、樹液濃度を高めることで耐寒性をつけます。
具体的には、土の表面が乾いてさらに2~3日ほど経ってからの水やりが目安になるでしょう。
とはいえ、「水やりのタイミングがイマイチ分からない」という方も多いのではないでしょうか?そんなときに重宝するのが水やりチェッカーです。(下写真)
▲水やりチェッカーがあると水やりの管理が楽に!
土に挿しておくだけで水やりの最適なタイミングを色でお知らせしてくれます。
- 土が濡れている⇒青
- 土が乾いている⇒白
冬場の場合は、チェッカーが白になって2~3日してから水やりするのがおすすめですよ。できるだけ暖かい時間帯に常温(30度程度)の水をたっぷりと与え、水やり後はしっかりと水気を切りましょう。
その後はできるだけ風通しのよい場所に置きます。エアコンや暖房の風が直接当たると葉を傷める原因になるため避けてくださいね。
窓を閉め切る時期は、扇風機やサーキュレーターをうまく活用して、停止しがちな室内の空気を意識的に動かしてあげると、根腐れや病害虫・カビの予防になります。
あわせて読みたい「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」はこちら
まとめ
今回は、ブラッサイアの葉が垂れる主な原因とそれぞれの対処法をご紹介しました。
20度以上の暖かい時期に葉が垂れる場合、まずは「過度の乾燥(水のやり忘れ)」「根詰まりからの根腐れ」「直射日光による葉焼け(葉が火傷により傷む)」を起こしていないか確認してみましょう。
また、15度以下になる低温期は「寒さ(できれば10度を切りたくない)」「水のやり過ぎ」に気を付ける必要があります。
現在の気温はもちろん、目の前の株をよく観察し、これまでの管理方法(置き場所、水やり方法など)を思い出した上で葉が垂れている原因を見極め、そこから紡ぎ出した対処法を試してみてください。
ブラッサイアの葉が垂れる主な原因と対処法
- 20度~30度未満の暖かい時期…土の状態をよく観察し水切れや根腐れを起こしていないか確認する。根詰まりしている場合、株の状態が落ち着いてからひとまわり大きめの鉢に植え替える。できるだけ風通しのよい屋外の半日陰に置くことで株を丈夫に保つ。ただし直射日光、西日は×。土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与え、しっかりと水気を切ること。
- 15度以下の寒い時期…15度以下になると生長が緩慢になり、10度を下回るようになると葉にハリがなくなり垂れてくることも。最低でも15度は確保できるよう温度管理に気を付ける。水やりは控え目にして耐寒性をつけるのがポイント。窓際は朝晩に冷え込みやすいため、夜になったら窓から数メートル離す。日中は日当たりのよい場所に置く。風通しが悪くなることで根腐れや病害虫が発生しやすい。サーキュレーターや扇風機をうまく活用すること。
- 30度以上の高温期…強光や蒸れによって株を弱らせやすい時期。できるだけ涼しく風通しのよい場所に移動し、直射日光は当てない。水やりはできるだけ涼しい時間帯におこない受け皿の水はこまめに捨てる。室内であればサーキュレーターを活用し、湿気が一か所に停滞しないようにして根腐れや蒸れ、病害虫による被害を防ぐ。
観葉植物に関する人気topics
「観葉植物のコバエ対策 効果的な方法とは?【徹底解説】」はこちら
「観葉植物の葉が落ちる原因と対処法を徹底解説します」はこちら
「観葉植物のカビ対策!カビの原因と対処法までを徹底解説します」はこちら
「観葉植物が枯れる主な原因4つ【枯らさないコツ3つも】」はこちら