マットな質感の柔らかな葉が優し気な癒しのグリーン「ブラッサイア」。ふんわりと広がる掌のような葉が印象的な観葉植物です。
そんなブラッサイアの葉が落ちる症状にお困りではありませんか?
今回は、ブラッサイアの葉が落ちる主な原因と葉が落ちる時の対処の方法をくわしくご紹介します。
ブラッサイアの葉が落ちる原因は?葉が落ちる時の対処の方法も
▲ふんわり優し気な雰囲気のブラッサイア
ブラッサイアは「ホンコン・カポック」と同じシェフレラの仲間です。ただし、カポックほど強健ではありません。
ブラッサイアの葉が落ちる原因①寒すぎる(8度以下)
ブラッサイアの原産地はオーストラリア(北部)やジャワ島、東南アジアなどの熱帯地域です。そのため、ブラッサイアは一年を通して暖かく風通しのよい環境を好みます。
そんなブラッサイアにとって大きなストレスとなるのが日本の冬です。
ブラッサイアが耐えらえる寒さは8度程度まで。5度以下になると寒さで枯れてしまいます。
▲温度計は冬越しの必須アイテム
温度 | 湿度 | |
人が快適と感じる目安 | 18度~27度程度 | 40%~60% |
ブラッサイアの生育適温・湿度 | 20度~30度程度 | 70%~ |
※空気が乾燥しがちな冬は葉水(はみず)で空中湿度を保つと葉が傷みにくい。葉水は霧吹きで株全体に水分を吹きかけるお手入れ。
夜になったら窓から数メートル離してやるとよい
室内であっても冷え込みやすいのが朝晩の窓際です。
夜になったら窓から1~2mほど離すだけでも寒さ対策になりますよ。できればお部屋の中心近くに移動させると安心です。
ただ、ブラッサイアは暖かく日当たりの良い場所を好みます。朝になって気温が上がってきたら、また元の位置に戻してやります。
鉢が重くて移動が大変な場合、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利ですよ。(下写真)
▲ダイソーで200円の鉢スタンド
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ブラッサイアの葉が落ちる原因②夏場の直射日光(主に、屋外)
▲特に高さ30cmに満たない幼木は寒さや蒸れなどのストレスに弱い傾向
日光を好むブラッサイアですが、気温が上がる夏場の直射日光には注意が必要です。強光により葉の一部が焼け焦げる「葉焼け」のリスクが高まるからです。
屋外に置いている場合、夏場は日陰~半日陰に移動させ葉焼けを防ぎます。
室内であれば葉焼けの心配はほとんどいりませんが、真夏の夕方に差し込む西日で葉焼けを起こすことも。
その場合はレースカーテンで光量を調整してやります。
葉の色に異変が見られたら早めに対処することでダメージを最小限に抑える
残念ながら、すでに葉焼けした葉を元通りにすることはできません。また、葉焼けした部分は光合成ができなくなります。
つまり、葉焼けする環境に置き続けていると株自体を枯らす原因になることもあるのですね。
▲夏場の葉焼けにより落ちたカポックの葉。直射日光の当たる30度以上の屋外に置いていた。
葉焼けの症状がみられる場合は場所を移動するか、遮光ネットを利用して直射日光を防ぎます。
ブラッサイアの葉が落ちる原因③根腐れ
土が乾かないうちに次から次へと水を与えていると、根が呼吸できずに腐って傷む「根腐れ」の原因になります。
根腐れをおこすと根が水分を吸収できず、そのまま弱って枯れてしまうことが多いです。
また、ブラッサイアは熱帯地域が原産のため、気温が15度以下になると生育が緩慢になります。そのため、水を吸い上げる力も弱まるのですね。
冬場は土が乾いてさらに3~4日ほどしてから常温の水を与えます。乾燥気味に管理することで樹液の濃度を高く保ち、寒さに備えることができますよ。
水やりのタイミング【目安】 | 水やりの方法 | |
春から秋の生育が盛んな時期 | 土の表面が乾いてきたら | 鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと。受け皿の水はこまめに捨てる。 |
冬(15度以下) | 土全体が乾いてさらに3~4日してから | 土全体が湿る程度に。水やり後はできるだけしっかりと水気を切る。受け皿に溜まった水はこまめに捨てること。 |
水やりの失敗を防ぐ便利アイテムを活用しよう
特に難しいのが冬場の水やりです。寒さが深まるにつれ、水を吸う力が弱まるのがブラッサイアですね。
そのため、気温が低くなる時期は特に水のやり過ぎに注意する必要があります。
「土が乾いたかどうか」の目安は、
- 鉢を持ち上げて軽い(普段から水やり後の鉢の重さを把握しておくとよい)
- 土に指を3cmほど入れて水気を感じない
- 鉢底から見える土がカラカラに乾いている
などです。ただ、管理している植物が多いと土の乾き具合を確認するのはとても大変でしょう。
そのような場合に便利なのが水やりチェッカーです。
▲春から秋は「白」になったら水やり。15度以下になったら「白」になってさらに2~3日程してから水やり。
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で教えてくれます。
水やりチェッカーを使うことで、水のやり過ぎややり忘れを防ぎ、植物を長持ちさせることができますよ。
▲見た目もシンプルで植物の邪魔をしない。細身なので小さい鉢にも使いやすい。
ブラッサイアの葉が落ちる原因④病害虫
「思い当たる原因が見つからない、でも、なんとなく葉の色がおかしい…」
このような場合、ブラッサイアの葉の裏や付け根、枝まわりに小さな虫が付着していないかくまなく点検してみてください。
もし、小さな虫が付いている場合はハダニやカイガラムシなどの害虫が寄生している可能性があります。
害虫の場合、できるだけ早めに取り除くことで被害を最小限に抑えられます。
▲虫といってもほとんど動かないことが多い…
葉がベタベタしていたらカイガラムシが付いている可能性が高い
ブラッサイアの葉がベタベタとしている場合、カイガラムシが付いている可能性があります。
カイガラムシはハダニ同様、吸汁によって株を弱らせる害虫です。樹液を取り込み糖分を含む排泄物をまき散らします。これがベタベタの原因です。
▲カイガラムシを放置していると葉が黒く変色する「すす病」を引き起こすことも
また、ブラッサイアの葉の付け根や枝回りに蜘蛛の巣のようなものが付着している場合、ハダニが付いている可能性もあります。
これらの害虫は見つけ次第取り除きましょう。多すぎて手に負えないという場合は殺虫剤の利用も検討します。
まとめ
▲スリーコインズで見つけた300円のブラッサイア
今回は、ブラッサイアの葉が落ちる原因とその対処法についてご紹介しました。
同じシェフレラでもカポックに比べると入手が困難なブラッサイア。
春から秋にかけてはできるだけ風通しのよい明るい場所に置いてやると、徒長(間延び)しにくく株自体も丈夫に育てられます。
ただし、屋外の場合、夏場の直射日光を避けた方が無難です。また、15度以下になったら水やりの間隔を徐々に空けて冬越しに備えます。
植え替えは春から秋の暖かい時期に済ませましょう。冬場の植え替えはそのまま株を弱らせてしまう可能性が高いため避けます。
カポックに比べて少々神経質なブラッサイアではありますが、可能な限り大切に育てて長く楽しみましょう。
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ブラッサイアの葉が落ちる原因と対処法
寒さ | 10度以下の寒さに当てないよう気を付ける。15度以下になったら水やりを控え目にして寒さに備える。秋から冬にかけては空気が乾燥しやすいため、葉水で空中湿度を保つことも大切。 |
直射日光による葉焼け | 夏場は特に葉焼けを起こしやすい。屋外なら直射日光を避けた日陰に置く。室内ならレースカーテン越しの窓際。夏以外はカーテン無しでok。葉焼けするようならレースカーテンで日当たりを調整する。 |
根腐れ(または過度の乾燥) | 鉢底から根が出ていたり、2年以上植え替えていない場合は根詰まりしている可能性あり。暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替える。そのままだと鉢内の水はけが悪い状態が続くため、同時に根腐れも招きやすい。また、春から秋にかけては過度の乾燥に気を付け土の表面が乾いたらたっぷりと水やり。 |
病害虫 | 葉の色がなんとなく悪いと感じる場合、小さな虫が付いていないかくまなくチェック。もしついていたらすぐに取る。取り切れない場合は専用の殺虫剤を使うことも検討する。とにかく早めに駆除することが大切。 |