色鮮やかな葉と明るくしなやかな幹が美しいベンジャミン。風に揺れる涼し気な葉が人気のインドアグリーンです。
比較的に寒さに強く丈夫で育てやすいといわれるベンジャミンですが、いつのまにか葉が落ちてスカスカになってはいませんか?
今回は、スカスカな見た目になってしまったベンジャミンを仕立て直す方法をご紹介します。
スカスカのベンジャミンを復活させる方法とは?
光線不足によりスカスカになったガジュマル
今回は、スカスカになったベンジャミンを復活させる方法として「切り戻し」をご紹介します。
約2か月でボリュームのある姿を取り戻しました
切り戻しから約1年半後
今回は、ベンジャミンと同じ仲間のガジュマルを復活させた様子とともに、くわしい手順をご紹介するよ。
※ただし、白い模様の入った斑入りベンジャミンは回復するまでに時間を要するため、今回ご紹介する方法はあまり向かいない。濃いグリーンの葉を持つベンジャミンにはおすすめの方法。
スカスカのベンジャミンを復活させる方法 手順①適期は4~6月頃
下写真は、日光不足によりひょろひょろに間延びしたガジュマルです。
耐陰性があるため、室内でも育てられるガジュマルやベンジャミンなどのフィカス属。しかし、本来は明るく風通しのよい場所を好みます。
今回、スカスカになった部分をカットし仕立て直します。適期は生育がさかんになり始める春。4月~6月頃がおすすめです。
天気予報をチェック。最低気温が15度以上になってきたらベストタイミング
判断の目安は天気予報。最低気温が15度以上になってきたタイミングでの切り戻しがおすすめです。
春に切り戻すことで冬までのあいだにより多くの生育期間をもうけることができます。
スカスカのベンジャミンを復活させる方法 手順②カット
スカスカになっている部分を切れ味のよい清潔なはさみでカットします。
白い樹液に触れないよう注意!
今回は幹以外すべてを切り落とす「丸坊主」と呼ばれる切り戻し方法でカットしました。
ただ、「丸坊主にするのはさすがに不安…」という場合は、スカスカになっている部分のみをカットするのもよいでしょう。
※ガジュマルの丸坊主方法について詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。
スカスカのベンジャミンを復活させる方法 手順③管理方法の見直し
2週間ほどで幹から新芽が吹いてきました
切り戻し後は置き場所の見直しをおこないます。これまでと同じ管理方法ではまたスカスカになってしまう可能性が高いためです。
室内であれば南から東向きの窓際がベストでしょう。風通しのよい場所を好みます。
切り戻しから約1年半後、葉がこんもり茂りました
切り戻しから約1年半後、葉が茂ってこんもりした姿に育ちました。
明るく風通しのよい場所に置くことが大切です。とはいえ、ベンジャミンは環境の変化により葉を落としやすいという特徴もあります。
移動する場合は少しずつ新しい環境に慣らすことが大切です。
カットしたベンジャミンの枝は発根させて育て直すこともできる
カットしたベンジャミンの枝はそのまま水や土で発根させ育てることもできます。
カット後、断面の白い樹液を水で軽く洗し、水を張った容器に挿して発根を待つ
カット後の枝は断面から滲み出てくる白い樹液を水で軽く洗い流します。
その後、水を張った容器に挿して発根するのを待ちましょう。うまくいけば2週間ほどで白い根っこが出てくるはずです。(下写真)
発根後、水はけの良い土に植え付け日当たりの良い場所へ
発根後の枝は水はけのよい清潔な土に植え付けます。
室内なら南~東向きの窓際がよいでしょう。20度以上であれば屋外の半日陰に置いておくと生育がよくなります。
※ちなみに、葉の付いていない枝部分のみを土に差しておくだけでも、発根することがあります。(下写真)
あわせて読みたい「ベンジャミンを挿し木で増やそう【分かりやすく解説!】」
ベンジャミンがスカスカになる原因とは?
次に、ベンジャミンがスカスカになってしまう原因をみていきましょう。ベンジャミンがスカスカになる原因は主に4つです。
- 光線不足
- 寒さ
- 急激な環境の変化(➡暗い場所からいきなり明るい場所に移動した、等)
- 水不足(または水のやり過ぎ)
切り戻し後は、上記4つのポイントを考慮し管理方法を見直す必要があります。
ベンジャミンがスカスカになる原因①光線不足
耐陰性があり室内の少ない日光でも育てられるベンジャミンですが、本来は明るく風通しのよい場所を好みます。
日光不足が続くことで、枝ばかりが日光を求めて縦方向ばかりに伸び、結果、葉と葉の間隔が伸びてスカスカの見た目になってしまうことが多いです。
ベンジャミンに適した置き場所は?
室内であれば南から東向きの窓際がよいでしょう。窓を開けて風通し良く管理するのがベストです。
20度以上であれば屋外の日陰~半日陰に置くのもおすすめ。ただし、直射日光は葉焼けを起こす恐れがあるため避けた方が無難です。
特に白い模様の入ったスターライト等の斑入り品種は強光で葉が茶色く焼けやすいです。(下写真)
ベンジャミンがスカスカになる原因②寒さ
ベンジャミンが耐えられるのは5度程度までといわれます。しかし、これは枯れないための最低温度ともいえるでしょう。
ベンジャミンの美しい葉を保つなら、最低でも10度は必要です。
室内に置いていれば安心?いいえ、冬の窓際は想像以上に冷え込むことが多いです
室内といえども、冬の窓際は朝晩にかなり冷え込みます。
夜になったら窓から最低でも1~2m離すことで、冷え込みを防ぐことができます。鉢が重くて移動が難しい場合は、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利です。
あわせて読みたい「ベンジャミンを冬越しさせるためのコツ3つとは?」
ベンジャミンがスカスカになる原因③急激な環境の変化
ベンジャミンは環境の変化で葉を落としやすい植物です。
たとえば、薄暗い場所から明るい場所へ鉢を移動したり、寒い場所から暖かい場所へ移動した場合もそれにあたります。
環境の変化でパラパラと葉を落とすのがベンジャミン
環境の変化による影響を受けやすいベンジャミン。季節の変わり目などにも葉を落としやすいです。
栽培環境に問題が無い場合、そこまで神経質にならずに「環境に対応しようと頑張っているんだなぁ。」と思っておきましょう。
新しい環境に応じるため葉を入れ替えていることも多いのがベンジャミンなのです。
ベンジャミンがスカスカになる原因④水不足(または水のやり過ぎ)
ベンジャミンは長い間水やりを忘れていたり、空気が乾燥しすぎたりすることで葉を落とすことがあります。
特に気を付けたいのが、窓を閉め切ることの多い真夏や真冬です。
この時期はエアコンの風が直接ベンジャミンに当たらないよう注意してください。エアコンの風が当たることで過度の乾燥状態が続き、葉が傷みやすくなります。
春に葉が落ちる場合は新陳代謝の可能性も
春先にベンジャミンの葉がパラパラと落ちる場合、冬の間に傷んだ古い葉を入れ替えようとしていることも考えられます。
水やりの基本は「土がしっかりと乾いてからたっぷりと」です。
ただし、寒さで生長が緩慢になる冬は土が乾いてさらに3~4日ほどしてから常温の水を土の半分程度が湿るくらいに与えます。
☆★水やりのタイミングがイマイチ分からない…という場合、「水やりチェッカー」を使うのがおすすめです。(下写真)
水やりチェッカーを使うことで、土の乾き具合を色で知ることができる
最適な水やりのタイミングが分かるので、水のやり忘れややり過ぎにより失敗を防ぐことができますよ。
春~秋(15度以上が目安) | チェッカーが白になったタイミングで、鉢底から水が流れ出るくらいにたっぷりと水やり |
冬(15度以下が目安) | チェッカーが白になってさらに3~4日ほどしてから、常温の水を土の半分程度が湿るくらいで与える |
※あくまで目安ですが、天気予報の最低気温が15度以上なら生育期、15度以下なら休眠期と覚えておくのがおすすめです。
あわせて読みたい「ベンジャミン 葉が落ちる原因と対処法を解説します!」
まとめ
ということで、今回はスカスカになってしまったベンジャミンを仕立て直す方法をご紹介してみました。
ちょっとした環境の変化で葉を落としやすいベンジャミン。スカスカになってしまった場合、まずは原因を探ることから始めてみましょう。
- 日光不足に陥ってはいなかったか?
- 10度以下の寒さに当たっていなかったか?
- 水をやり忘れていなかったか?
- 土が乾かないうちに水を与えていなかったか?
- 季節の変わり目ではないか?
- 急激な環境の変化がなかったか?
これらを確認した上で、必要であれば切り戻しを実施し、樹形を整えることを検討してみてくださいね。