ゴムの木の中でも特に人気のフィカス・アルテシマ。
その鮮やかなツヤのあるグリーンの葉に思わずひと目ぼれしてしまった…という方も多いのではないでしょうか?
「絶対枯らさないぞ!」と意気込んでいたものの、葉がぱらりぱらりと落ちるのを見て、「大切に育てていたのになんで?」とお悩みではありませんか?
そこで今回は、フィカス・アルテシマの葉が落ちる主な原因と、葉が落ちたときの対処法をくわしくご紹介します。
フィカスアルテシマの葉が落ちる原因と対処法
寒さによるダメージ
フィカス・アルテシマが耐えられるのは5度程度までです。5度以下になると徐々に葉が落ち弱ってしまいます。
室内であっても気を付けなければならないのが窓際です。窓際は日中は日当たりよく暖かくても、朝晩に急激に冷え込みます。
また、床に直接鉢を置いている場合は冷気によって株がダメージを受けやすいです。
寒さでアルテシマの葉が落ちるときの対処法
- 室内管理の場合、棚の上や鉢スタンドなどを利用して直接床に置かない(冷気を避ける)
- 窓際に置いている場合、夜になったら窓から1~2m程離して寒さを防ぐ
- 屋外管理の場合、天気予報で最低気温が15度以下になったら室内の日当たりの良い場所へ移動する
冬場は乾燥気味に管理することで、根腐れを防止すると同時に耐寒性を高められるよ。土が乾いてさらに2~3日してから、土の約1/3が湿る程度の量でおこなうと根腐れや根の冷えを回避できる。
水のやり過ぎによる根腐れ
アルテシマの水やりの基本は「土が乾いてから」です。
土が乾ききらないうちに水を与えていると、根が呼吸できずに傷んで腐敗する「根腐れ」に発展します。
水のやり過ぎでアルテシマの葉が落ちるときの対処法
- しばらく水やりを控え、風通しのよい半日陰で管理する(直射日光は避ける)
- 植物を容器から取り出し、腐った根をはさみや刃物を使って慎重に取り除く
- 傷んだ根を取り除いたら、清潔で水はけの良い土に植え付ける
健康な根は白っぽくて弾力がある。すでに腐った根は黒くて脆いから、少し触れただけでもボロボロと落ちることが多いよ。
日光不足
アルテシマは日光を好むため、春~秋にかけての生長期は日光不足によって徒長(とちょう)を起こしやすくなります。
徒長すると葉と葉の間隔が長くなり、ひょろひょろと間延びした印象の姿になります。
日光不足によって徒長すると、ちょっとした環境の変化やストレスによって葉を落しやすいです。
日光不足でアルテシマの葉が落ちるときの対処法
- 数日かけて少しずつ日当たりの良い場所へ移動する。いきなり強い日光の下に移動させない。葉焼けの可能性があるため。
「室内の明るい場所⇒屋外の日陰⇒半日陰⇒日当たりの良い場所(真夏は半日陰が無難) 」というように、少しずつ日光に慣らしていくと葉焼けを防げます。
植物は「急激な環境の変化」が大の苦手!
根詰まり
根詰まりを放置していると鉢内が蒸れやすくなるので、根腐れに発展しやすいです。
「買ったばかりだから大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、購入後はまず鉢底をのぞいてみてください。
店頭に並んでいる観葉植物は生育が安定している状態で出荷されることが多いため、すでに根詰まりを起こしていることも多いです。
根詰まりが疑われる場合の対処法
- 春から秋の暖かい時期であればひとまわり大き目の鉢植えに植え替える
「購入してから一度も植え替えていない」「2年以上植え替えていない」という場合、根詰まりによって水や養分がうまく吸収できずに株が弱っていることも考えられます。
「鉢底から根がはみ出ている」「水やりしても土に水分がなかなか浸みこまない」「下葉が黄色っぽく変色している」
などの症状がみられる場合、根詰まりを起こしている可能性が高いです。
肥料のやりすぎ
アルテシマの元気がないからといって肥料をやり過ぎていると、根がダメージを受けてしまうことがあります。
いわゆる「肥料焼け」です。肥料焼けを起こすと葉が落ちたり、葉が変形したりします。
肥料焼けでアルテシマの葉が落ちる時の対処法
- 春~秋であれば、新しい土に植え替えることが効果的。冬の場合はしばらく水やりを控えて乾かし気味に管理し春を待つ
- 肥料はアルテシマの生育期である春~秋(4月~9月頃)に与える。冬の肥料は不要
元気がない時や弱っている時に肥料を与えるのは×。余計に根を傷ませることがあります。
また、根詰まりしている状態で肥料を与えると、根がダメージを受けやすいので注意です。
葉焼け
日光を好むアルテシマですが、真夏の直射日光に当たり続けていると葉焼けを起こします。
葉焼けすると葉が茶色く焦げたように変色し、その部分は光合成ができません。
そのため、葉焼けした面積が拡がり続けていくと徐々に葉が落ち、弱ってしまう原因になりえます。
葉焼けした時の対処法
- 最高気温が15度以上の時期は直射日光を避けた半日陰に置く。室内なら南~東向きの窓際
- 夏の高温期は葉焼けを起こしやすいため半日陰に移動するか、遮光ネットを利用して様子をみる
葉焼けとは、葉の一部が強光により焼け焦げたようになる生理障害。
葉焼けの進行は株自体を弱らせ枯らしてしまうことにもなります。
すでに葉焼けで変色した部分を元に戻すことはできず、生長に合わせて剪定で整える必要があります。
水切れ
乾燥に強く丈夫なアルテシマですが、あまりにも乾燥が続くと葉が落ちてしまいます。
特に春~秋の暖かい時期は週に1回程度を目安に水やりすると良いでしょう。
水切れでアルテシマの葉が落ちる時の対処法
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりする
- 直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で管理する
- 葉の裏面を中心にスプレーで水分を吹きかける
病害虫
アルテシマにはハダニやカイガラムシなどの害虫が付くことがあります。
特に、乾燥する場所や風通しの悪い場所、埃っぽい場所などでアルテシマを育てていると、これらの害虫が付きやすくなります。
ハダニやカイガラムシがアルテシマに付くと、吸汁によって葉が変色し、さらに被害が進むと葉が落ちて弱ってしまうこともあります。
害虫が疑われるときの対処法
- 数が少ないなら綿棒やピンセットで取り除く
- 数が多い、取っても再発するなら殺虫剤の使用を検討
害虫は放っておくとあっという間に増えちゃう。
※葉水(はみず)…霧吹きで葉に水分を吹きかけるお手入れのこと
もう葉を落さない!フィカスアルテシマの育て方のポイント3つ
アルテシマはゴムの木の中でも丈夫で育てやすく人気の品種です。が、育て方のポイントを押さえていないと葉を落としてしまいます。
アルテシマを育てる場合、以下3つのポイントさえ押さえておけば、そう簡単に葉を落とすことはありません。
10度以下の寒さに当てない
室内で育てているから大丈夫。と思っていても、暖房を消したあとの夜間は想像以上日冷え込みます。
特に冷え込みがきつくなるのが、夜から朝にかけての窓際。一軒家はマンションに比べると夜に冷え込みやすいので、寒さ対策は必須です。
キャスター付きの鉢スタンドがあると移動が楽
ちょっと面倒だけど、窓際に置いている場合は夜になったら窓から1~2m離すと寒さ対策になるよ。鉢が重い場合は、キャスター付きのスタンドがあると便利!
水やりは土が乾いてからたっぷりと
土が乾く前に水やりを繰り返していると、根が呼吸できずに土の中で腐ってしまいます。
初心者でよくある失敗が「水のやりすぎによる根腐れ」です。
水やりのタイミングを教えてくれる便利グッズも
水のやりすぎによる根腐れを防いでくれる便利グッズもあります。
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで土の乾き具合を測定。最適な水やりのタイミングを色で教えてくれます。
土が乾いたら「白」、土が濡れていれば「青」。土の乾き具合が一目瞭然だね!
タイミング | 量、時間帯 | |
春~秋(最低気温15度以上) | チェッカーが白になったらおこなう | 鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与える。午前中に済ませるのが理想 |
冬(最低気温15度以下) | チェッカーが白になってさらに3日ほど経ってからおこなう | 土の約1/3が湿る程度の量で与える。暖かい日の午前中までに済ませる。夜間の水やりは避けた方が無難。水温の低下により根を傷めてしまうため |
室内なら南~東向きの窓際に飾る
アルテシマは耐陰性があるため室内でも育てられる「観葉植物」として知られます。
ただ、本来は明るく風通しの良い場所を好みます。
あまりにも日当たりが悪いと、葉の色が徐々に濃くなったり、葉が落ちるなどといったトラブルが起こります。
植物育成LEDライトを使うのも選択肢のひとつ
日当たりの良い場所がなかなか見つけられない場合、植物育成LEDライトを使うのも選択肢のひとつです。
植物育成LEDライトは、植物が成長するために必要な光を提供するための人工的な照明装置です。
室内で植物を栽培する際に自然光が不足している場合や、季節や環境の条件が植物の成長に適していない場合に利用されます。
アルテシマの魅力である美しい葉の色とツヤを保つためにも、日光は欠かせないよ!
フィカスアルテシマの水やりは時期によってタイミング、量を変える!
アルテシマの水やり頻度や量は時期によって微妙に異なります。
冬のアルテシマは寒さで水を吸う力が弱い。水のやりすぎは根腐れの原因に…!
アルテシマの生長が旺盛なのは春から秋にかけての暖かい時期です。この時期は土の表面が乾いていたらたっぷりと水やりします。
生長がほぼ止まる冬場は、根が水を吸い上げる力自体が弱まっています。
そのため、冬場も生長期と同じように水やりしていると、吸いきれずに残った水分が鉢内に長く留まり、根腐れを引き起こすことが多いです。
一週間以上土が湿っていると、根腐れの可能性が高くなるから注意!
アルテシマの灌水方法【時期別】
・春から秋(最高気温が15度以上)→土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと与える ・冬(最高気温が15度以下)→土が乾いて2~3日してから控え目に水を与える(鉢底から水が流れ出ないくらい) あわせて読みたい「観葉植物 冬の水やりの方法!【管理のコツ3つと失敗例も】」
そもそもフィカスアルテシマってどんな植物なの?
アルテシマは東南アジアが主な原産地のゴムノキの仲間
アルテシマの主な原産地は東南アジアです。
中国南部からベトナム、ラオス、タイ、マレーシア、インドネシアなど、熱帯および亜熱帯地域に分布しています。
アルテシマは自生地では高木として成長し、観葉植物としても広く栽培されています。
ツートンカラーの美しい葉が特徴
フィカス・アルテシマは大きくて光沢のある葉が特徴的で、深い緑色に黄緑色の模様が入ります。
葉のパターンは個性的で、観賞価値が高いです。
美しい。しかも丈夫で乾燥にも強く育てやすい!
フィカス・アルテシマは比較的丈夫で、初心者でも育てるのが簡単です。
適切な環境とケアが提供されれば、元気に成長しやすい植物です。
空気清浄効果を発揮してくれる
フィカス・アルテシマは室内空気を浄化するのに役立ちます。
葉が有害な化学物質や揮発性有機化合物を吸収し、空気をきれいに保つ効果があります。
インテリアのアクセントになる鮮やかなグリーンの葉を持つ
大きな葉や特有のパターンは、室内空間に自然な要素を取り入れ、インテリアのアクセントとして素敵な雰囲気を作り出します。
生長が早く育て甲斐がある
フィカス・アルテシマは比較的速い成長を示すことがあります。
新しい葉が頻繁に出るため、観察する楽しみがあります。
耐陰性があるから室内でも長く育てやすい
アルテシマは耐陰性があるため室内でも長く育てられます。
屋内での栽培に適しており、適切な環境が提供されれば室内で長寿命に育てることができます。
注意が必要な点は、直射日光を避け、過度な水やりを防ぐこと。適切な条件で育てれば、美しい観葉植物として部屋を飾り、癒しの空間を提供してくれるよ!
フィカスアルテシマの葉が落ちる原因と対処法【まとめ】
今回は、フィカス・アルテシマの葉が落ちる主な原因と対処法をくわしくご紹介しました。
葉が落ちると「このまま枯れてしまうのでは!?」と焦ってしまいますよね。しかし、すべての葉が落ちてしまったとしてもしばらくは様子をみましょう。
葉が落ちたのが冬であれば、暖かくなればまた新しい葉を展開させてくれることも多いです。諦めずに管理を続けてみてください。