艶のある美しい葉と明るい色味の幹がおしゃれなベンジャミン(ベンジャミンゴム、シロガジュマル)。丈夫で育てやすいベンジャミンは初心者にもおすすめの観葉植物です。
枝に柔軟性のあるベンジャミンは、幹が編み込まれた「トピアリー仕立て」もよく見かけます。インテリア性の高いベンジャミンは定番の観葉植物です。
そんなベンジャミンですが、葉がベタベタする原因不明の症状にお困りではありませんか?
今回は、ベンジャミンの葉がベタベタとべとつく時に考えられる原因とその対処法についてくわしくご紹介します。
ベンジャミンがベタベタとする場合、必ず確認しておかなくてはならないポイントが2つあるよ。記事後半ではこれについても解説するね。
ベンジャミンがベタベタする原因は蜜?樹液?
ベンジャミンがベタベタとする時に考えられる原因は主に2つです。1つ目が「蜜線からの樹液によるもの」で、2つ目が「カイガラムシによる被害」。
それぞれをくわしく見ていきましょう。
蜜線からの樹液によるもの
ベンジャミンは蜜線からの蜜の湧出量が比較的に多い植物です。
蜜線とは葉っぱの先端にある小さな孔のことで(ベンジャミンの場合)、そこから滲み出るのがベンジャミン自身の蜜です。糖分を含むためベタベタするのが特徴です。
分泌量が多い場合には床に蜜が落ち、鉢のまわりまでベタベタすることもあります。蜜が出てベタベタとするのは病気ではありません。
ただし、ベタベタすると同時に葉が変色したり、落ちたりして元気がない場合は要注意です。
ベタベタするだけでなく、葉が落ちたり変色したりして元気がない場合は次項②の原因が考えらえる。
ベンジャミンは蜜によって葉がベタベタしやすい。気になるならときどきシャワーをかけて優しく落とそう
ベンジャミンは蜜線から湧出する蜜の量が他の植物よりも多い傾向です。蜜が出るとどうしても葉がベタベタとします。
ベタベタが気になる場合は時々、葉を傷めない程度にシャワーで優しく洗い流すのもよいでしょう。
ただし、ベンジャミンは寒さに弱いため、冬の場合は夜間を避けた暖かい時間帯に済ませてください。葉に残った水滴が朝晩に冷え、葉を傷めてしまう恐れがあるからです。
なんといってもベンジャミンは寒さが苦手。夜間に葉水した場合、葉先に残った水滴が夜間のうちに冷えて葉を傷めてしまうことも。冬の葉水は午前中のうちに済ませるのがおすすめだよ。
カイガラムシによる被害
ベンジャミンがベタベタとして、さらに葉が変色したり落ちたりして「何となく元気がない…」と感じる場合は、カイガラムシという害虫が寄生している恐れがあります。
カイガラムシは吸汁によって葉を変色させ、糖分を含む排泄物を葉や枝にまき散らします。これがベタベタの原因です。
カイガラムシを放置していると徐々に葉が落ち、最終的には枯らされてしまうことも。
ここで気を付けたいのが「カイガラムシは虫とはいえ、ほとんど動かないことが多く見落としてしまいがち」だということです。
カイガラムシはほとんど動かないことが多く、単なる汚れとして見過ごしてしまいやすい…!
下写真はモンステラという観葉植物の葉です。実は、カイガラムシが付いています。どこに付いているか分かりますか?(下写真)
葉がベタベタしている時はカイガラムシの可能性大!
どれがカイガラムシが分かりましたか?実は、葉の表面に付着している茶色い小さな物体がカイガラムシです。
「虫」というと黒くてちょこちょこと動くものをイメージされる方が多いのではないでしょうか?
しかし、カイガラムシの場合は口針を植物に差し込み吸汁するため、足が退化していることが多く殆ど動かないのです。
さらに、カイガラムシは葉や枝に張り付くようにして寄生しています。霧吹きで水を吹きかけたくらいでは取りきれないことが多いのです。
カイガラムシが発生しやすい条件は主に3つ。「暖かい」「空気が乾燥している」「風通しが悪い」。この3つが当てはまりやすいのが、秋~冬にかけての室内。もちろん、一年を通して発生する可能性があるよ。また、葉が混みあってきたら、風通しを確保するためにも適期に剪定するのがおすすめ。
ベンジャミンがベタベタする時に必ず確認すべき2つのポイント
とはいえ、「ベンジャミンがベタベタするけど、蜜によるものなのか、カイガラムシによるものなのか見分けがつかない…」という方も多いでしょう。
そこで、ベンジャミンがベタベタする時に必ず確認しておくべきチェックポイントをご紹介します。
ベンジャミンがベタベタする時に確認すべきポイント①葉の表面、裏面、付け根をチェック
ベタベタの原因がカイガラムシの場合、葉の表面だけでなく裏面や付け根に茶色い粒々としたものが張り付いています。
さらに、カイガラムシは種類が非常に豊富で、中には白い綿のような姿をしたものも存在します。
白い綿のようなものに覆われている「コナカイガラムシ」
ただし、よく見ると楕円形をしているのが特徴です。また、葉の上に「のっている」のではなく、「張り付いている」という方が適切でしょう。
カイガラムシと思われる物体を発見したら、綿棒やピンセットなどでこすり落としてみる
カイガラムシかな?と思ったら綿棒やピンセット、湿らせたティッシュ等でこすり落としてみてください。
綿棒でこすり落としたカイガラムシ
数が少ないうちに取り除いておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
最悪の場合、植物を枯らされるだけでなく、近くに置いている他の植物にまで被害を及ぼす恐れもあるのです。
ピンセットで捕獲したコナカイガラムシ
ベンジャミンがベタベタする時に確認すべきポイント②枝や幹までくまなくチェック
カイガラムシは葉に付くとは限りません。枝や幹に寄生していることもあります。
茶色いカイガラムシの場合、枝や幹に付くとかなり分かりにくいでしょう。よく観察してみてください。
数が多すぎて取りきれない、取ってもすぐ再発する…このような場合はカイガラムシ専用の殺虫剤も
「取っても取っても再発する」「数が多すぎて取りきれない」「虫が苦手でどうしても触るのに抵抗がある」
このような場合は、カイガラムシ専用の殺虫剤を使ってみるのもよいでしょう。
カイガラムシ エアゾール(480ml)なら、2つの成分で効果的にカイガラムシを退治します。また、使用後、約1か月にわたって効果が持続するのも特長。
散布後に発生した害虫に対しても約1か月硬化を発揮してくれます。ジェット噴射で高い場所にも散布可能です。
- 屋外へ移動
- マスク、眼鏡等を装着
- 植物から約30cm離れた箇所から、全体にまんべんなく薬剤を噴射(局所的な噴射は避ける)
まとめ
ということで、今回はベンジャミンがベタベタする時に考えられる主な原因2つと、べたつきが気になる時に確認すべきポイントとその対処法までをご紹介しました。
カイガラムシは一年を通して発生する可能性があります。ただし、発生しやすい条件も存在します。
個人的な経験から思うのは、やはり「風通しの悪い環境」と「空気が乾燥している環境」ではカイガラムシが発生しやすいと感じます。
ベンジャミンを壁際に置いていたり、窓を閉め切ったままだとどうしても風通しが悪くなります。
特に、真夏や真冬は窓を閉め切ることが増えるでしょう。そのような場合は扇風機やサーキュレーターを使い、室内の空気を動かすことが大切です。
風通しのよい空間を保つことはカイガラムシの発生を防ぐことだけでなく、植物や人にとっても快適な空間になりえますよ。
※ちなみに、サーキュレーターと扇風機の違いについて気になる方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
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