つやのある色鮮やかな仏炎苞が美しいアンスリウム。すっきりとしたフォルムがインテリアともよく馴染むため、観葉植物として高い人気を誇ります。
また、アンスリウムは耐陰性が強く丈夫なため、園芸初心者でも育てやすい観葉植物です。
観葉植物ビギナーでも育てやすいはずのアンスリウムですが、何となく元気がない様子にお困りではありませんか?
そこで今回は、アンスリウムの元気がない時に考えられる主な原因とその対処方法について詳しく解説します。
アンスリウムの元気がない時の主な原因と対処法を徹底解説【症状別】
「元気がない」といってもその症状はさまざまですね。今回は、アンスリウムの元気がない時によく見られる症状別で解説していきます。ぜひ、ご参考にされてください。
アンスリウムの元気がない ケース①葉先が枯れる
アンスリウムの葉先が茶色く枯れる場合に考えられる主な原因が、「根詰まり」「水不足」などです。
アンスリウムは観葉植物の中でも比較的に水を好みます。特に、春から秋にかけての暖かい時期は土の表面が乾いたタイミングでの水やりが理想的です。
土が乾きすぎると葉がぐったりとしたり、葉先が茶色く枯れることがあります。
2年に1回程度の株分けがおすすめ
「1年に1回、アンスリウムを植え替えているはずなのになぜか葉先が枯れる(株分けはしていない)」という場合、鉢内が子株の集合体になっている可能性があります。
▲葉が茂り過ぎている場合は株分けを検討する。大株に見えても実は小さな株の集合体となり、鉢内がぎゅうぎゅう詰めになっていることも。
アンスリウムは親株のまわりに子株を増やしながら生長する植物です。そのため、何年も株分けしないでいると、鉢内が子株でぎゅうぎゅう詰めになってしまうことも。
その結果、鉢内の水はけが悪くなることで、水分や養分がスムーズに吸収できず、葉先が枯れたり根腐れを招いたり、また、花芽が付きにくくなったりすることがあります。
▲スパティフィラムの株分け中
アンスリウムの元気がない ケース②なんとなく色が薄い
アンスリウムの色がなんとなく薄い…と感じる場合、寒さや日当たりなどの影響で光合成量が減っているか、根詰まりが疑われます。
肥料を与える場合は根詰まりしていないか確認してから…
アンスリウムの色が薄い場合、肥料不足も考えられる原因のひとつです。
アンスリウムの施肥は、生育がさかんな春から秋の間(15度以上)におこないましょう。おすすめはハイポネックス(原液)です。
▲安定の「ハイポネックス」。効果が実感しやすいので迷ったらこれ。
土の表面が乾いたタイミングで水に薄め、水やりとして与えます。
10日に1回程度でok。15度以下になったら肥料はストップしましょう。
ただし、肥料を与える場合は必ず「根詰まりしていないか」を事前に確認してください。根詰まりした状態で肥料を与えると、逆に根を傷めてしまう恐れがあるからです。
▲根詰まりした状態で肥料を与えると、浸透圧で根を傷ませてしまうことも考えられる
根詰まりの確認方法は、「鉢底から根がはみ出ていないか」「2年以上植え替えていない(株分けしていない)」「土が水を吸い込むまで時間がかかるようになってきた」などです。
あわせて読みたい「アンスリウムの色が薄い…原因は?色が薄い時の対処法も」はこちら
アンスリウムの元気がない ケース③ぐったりして萎れている
アンスリウムがぐったりとして萎れている場合、まずは寒さに当たっていなかったか確認してみます。アンスリウムは寒さに強くありません。
最低でも10度は必要です。
▲アンスリウムが好むのは暖かく湿った環境。最低でも10度、湿度は70%以上。
寒さに当たっていない場合は、まず、土の状態を確認しましょう。
土がカラカラに乾いていれば水不足が疑われます。たっぷりと水を与えて様子をみましょう。特にサトイモ科の植物は他の観葉植物に比べて水を好む傾向です。
春~秋にかけては水切れに気を付けましょう。
▲アンスリウムと同じサトイモ科の「シンゴニウム」が水切れでぐったりとしているところ
土が湿っているのに、ぐったりしおれている時は?
水やりをしているのにも関わらずアンスリウムがぐったりとして元気がない場合、根腐れが考えられます。
アンスリウムが特に根腐れを起こしやすいのが、秋から冬にかけての気温が下がる時期です。
この時期は気温が下がると同時に、根が水分を吸う力が徐々に弱まる時期でもあります。15度以下になったら水やりの間隔を徐々に空け、乾燥気味に管理します。
具体的には、土の表面が乾いてさらに3~4日ほどしてから様子を見て水を与えます。冬場の水やりはできるだけ暖かい時間帯に済ませるのが冷えによるダメージを防ぐコツです。
▲乾燥しがちな冬場は葉水で空中湿度を保とう
アンスリウムの元気がない ケース④葉が焼け焦げたように変色
自生地でのアンスリウムはジャングルの下草的存在です。そのため、直射日光が当たると葉を傷めてしまいます。
アンスリウムが好むのは半日陰です。
アンスリウムが好むのは柔らかい光
アンスリウムが葉焼けを起こしやすいのが夏場の高温期です。暑さの厳しい時期に直射日光を当てると、葉の一部が焼け焦げたようになる「葉焼け」を起こすことがあります。(下写真)
▲葉焼けしたポトスの葉
葉焼けした部分を元に戻すことはできません。また、葉焼けした部分は光合成ができなくなります。
葉焼けが進行すると株自体を弱らせる原因にもなるため、葉焼けが疑われる場合は置き場所の見直しをしてみましょう。
うっかり西日に当たっていないか確認してみてください。
まとめ
今回は、アンスリウムの元気がない時の主な原因と対処方法を、よくある症状別でご紹介しました。
今回ご紹介したどれにも当てはまらないという場合、葉の裏や付け根に小さな虫が付いていないか確認してみてください。
葉がベタベタする場合や白い粉のようなものが付着している場合は「カイガラムシ」、葉の付け根や茎に蜘蛛の巣のようなものが付着している場合は「ハダニ」が付いている可能性が高いです。
これらの害虫がアンスリウムに付くと、吸汁によって枯らされてしまうことも。見つけたら早目に取り除きます。
▲コナカイガラムシ
アンスリウムの元気がない時の主な原因と対処法【よくある症状別】
主な原因 | 対処方法 | |
葉先が枯れる | 根詰まり、水不足など | 適期の植え替え・株分け、土が乾いたタイミングでの水やり(春から秋) |
色が薄い | 寒さ、日光不足、肥料不足、根詰まりなど | 置き場所の見直し、株分け、適期の施肥 |
しおれる、ぐったりする | 土が乾いていれば水不足、濡れいてれば根腐れが疑われる | 水やりチェッカーがあると管理が楽になる |
葉が茶色っぽく変色 | 直射日光による葉焼け | 室内なら窓際、葉焼けするならレースカーテンで調整。屋外なら半日陰~日陰。 |
▲水やりチェッカーは土に挿しておくだけで土の乾き具合を色で知らせてくれる便利アイテムです。