クワズイモを鉢から出してみたら殆ど根がない…。どうすればいいの?
鉢から取り出したクワズイモに根がない場合、放置すると、最悪の場合には枯死してしまうこともあります。
そこで今回は、クワズイモの根がない原因とその対処法、新しい根を出す方法について詳しく解説します。
クワズイモの根がない、原因は?
鉢から取り出したクワズイモに根がない・根が極端に少ない場合、よくある原因には、以下のようなものがあります。
根の腐敗
クワズイモの根がなくなる最も一般的な原因のひとつに、根腐れがあります。
根腐れは水をやり過ぎたり、風通しの悪い場所に置いていると生じやすいです。
根腐れが発生すると、以下の症状が見られます。
- 茎が柔らかくなり、植物全体がぐらぐらする
- 根元から強い腐敗臭がする
- 根や芋がぶよぶよと柔らかくなり、溶けている
病害虫による被害
根や茎を食害する害虫(ネコブセンチュウやカビ類)や、カビによる病気が原因で根がなくなることもあります。
特に根に寄生するネコブセンチュウは、根の内部に寄生して栄養を奪うため、健康な根が保てなくなります。
病害虫が原因の場合、主に以下の症状が現れます。
- 根や茎に黒ずみや腐敗が広がる
- 土の中で小さな害虫が見られる
- 新しい根が生えてこない
寒さ(15度以下)
クワズイモの生育が盛んになるのは、20度~25度くらいの暖かな時期です。
冬場は温度不足でなかなか根が出ません。15度以下の寒さに当たるとそのまま弱ってしまう原因になります。
寒さが原因の場合、以下のような症状が現れます。
- 水やり後、土が乾くのが遅くなった
- 葉の色つやがイマイチ
2年以上植え替えていない
クワズイモを2年以上植え替えていない場合、土の劣化や根詰まりにより、根が傷んでいる可能性が高いです。
土は経年とともに粒が崩れてカチコチに固まります。そのままだと根が蒸れて傷みやすいです。
根詰まり・土の劣化が原因の場合、以下のような症状が現われます。
- 鉢底から根がはみ出ている
- 土の表面がカチコチ、土の量が以前より減った
- 水やり後、土に水分が浸透するまで時間がかかるようになった
根がないクワズイモを再生する方法
根がなくなったクワズイモを再生させるためには、原因に応じた対策を行う必要があります。以下では、再生を助ける具体的な方法を紹介します。
根腐れが原因の場合の対処法
根腐れが原因で根がなくなった場合は、土を完全に交換し、腐った部分を取り除くことが重要です。
- 植物を鉢から取り出し、状態を確認する
植物を鉢から慎重に取り出し、根の状態を確認します。腐っている部分が黒ずんでいる場合は、腐敗が進んでいると考えられます。 - 腐った根を切り取る
腐敗が見られる部分はすべて切り取りましょう。清潔なハサミを使い、切り口が感染しないよう消毒してから使用するのがポイントです。 - 殺菌剤を使用する
切り口から菌が入らないよう、植物用の殺菌剤を切り口に薄く塗ります。殺菌剤がない場合は、切り口を乾燥させて自然に治癒させても良いです。 - 新しい排水性の良い土に植え替える
水はけが良く、乾きやすい観葉植物用の土を使って植え替えます。鉢底に軽石や鉢底石を敷くと、排水性がさらに向上します。
病害虫が原因の場合の対処法
病害虫が原因で根が失われた場合、害虫駆除と病原菌対策が必要です。
- 害虫駆除
根に害虫が見られる場合、根全体を水でよく洗い流し、害虫を取り除きます。その後、植物用の殺虫剤を散布し、害虫の再発を防ぎます。 - 土の交換
病害虫が住み着いた古い土はすべて捨て、新しい清潔な土に植え替えます。土を交換することで、再発のリスクを下げることができます。 - 殺菌剤の使用
殺菌剤を根元に散布し、土中に病原菌が残っていない状態で植え替えます。殺菌剤を使うことで、土の中に残っているかもしれない病原菌を駆除できます。
寒さが原因の場合の対処法
寒さが原因の場合、まずは15度以下にならないよう配慮が必要です。
- 屋外管理の場合:最低気温15度以下になってきたら室内へ移動
- 室内管理の場合:南~東向きの窓際に置く。ただし夜のみ窓から1~2mほど離して冷え込みを防ぐ。夜間の水やりは避けて
根詰まり・土の劣化が原因の場合の対処法
根詰まり・土の劣化が原因の場合、春~初夏に植え替えましょう。
- 根詰まりの解消:春~初夏にひとまわり大きめの鉢に植え替える。冬の植え替えは株に大きな負担となるため基本避ける
- 土の交換:古い土は処分し、水はけの良い土に交換する
クワズイモが新しい根を出すためのコツ
根がないクワズイモを再生するためには、根を新たに発根させるための環境を整えることが大切です。
根の成長には20~25度くらいが理想
クワズイモは熱帯の植物であり、20〜25℃程度の気温と70%程度の湿度を好みます。
温度が低すぎると発根が遅れるため、発根を促したい場合には暖かい場所に置くようにしましょう。
また、乾燥が発根を妨げる原因になるため、空気が乾燥している場合は加湿器を使ったり、葉に霧吹きで水分を補給することも効果的です。
室内なら南~東向きの窓際に置く
クワズイモは直射日光が苦手ですが、発根にはある程度の光が必要です。
半日陰や明るい日陰で管理し、適度な明るさを確保するようにしましょう。
強すぎる光は葉を傷めることがあるため、薄いカーテン越しの柔らかい光が理想的です。
発根促進剤の活用
園芸用の発根促進剤は、発根を助ける成分が含まれており、根がない状態からの再生に効果的です。
発根促進剤を水挿しや植え付けの際に使用すると、より早く新しい根を出すことが期待できます。
発根促進剤は園芸店やネットで購入できるため、根が出づらい場合は試してみると良いでしょう。
クワズイモの根がない?原因と新しい根を出す方法を解説【まとめ】
クワズイモの根がなくなる原因としては、根腐れや乾燥、病害虫などが考えられます。
原因に応じた対策を行い、再生環境を整えることで、新しい根を出すことが可能です。
特に、温度・湿度・水管理を適切に行うことが成功の鍵となります。
根がない状態でも諦めず、丁寧にケアを続けて、クワズイモの再生に挑戦してみてください。