素焼き鉢の表面に白い粉がわいた。もしかしてカビ。。?
今回は素焼き鉢に関するこのような疑問やお悩みにお答えします。
素焼き鉢の白い粉の正体は?白華現象とカビの違い
ブラシで素焼き鉢を強くこすっても白いものが取れないという場合は「白華現象」である可能性が高いです。
「白華現象」ってなに?
白華(はっか)現象とは、
コンクリートやモルタルの中に元々ある「水酸化カルシウム」が、水分や霜に溶け出して二酸化炭素に反応し、「炭酸カルシウム」となって白い粉となる現象のこと。
そして、白華現象は素焼き鉢でもよく起こります。
素焼き鉢に含まれる水酸化カルシウムが水やりの際の水分に溶け出し、鉢の表面ににじみ出て空気中の二酸化炭素に反応すると考えられます。
特に、素焼き鉢は多孔質のため、他の鉢よりも白華現象が起きやすい傾向です。
白華現象が起こりやすいのは、湿気が高くなる梅雨時期や気温の下がる冬場だよ。
そのままでも無害。見た目が気になるなら定期的にこすり落とす
白華現象によって生じた炭酸カルシウムは、そのままにしておいても無害です。ただ、見た目が気になるという方もいるでしょう。
白華現象を完全に阻止するのは困難ですが、素焼き鉢に白っぽいものが現れていたら、早目に取り除くことで美観を保つことができます。
水道水に含まれるミネラル分が結晶化したもの=水垢の可能性もある
素焼き鉢の表面に現れる白い粉のような物質。
実は、水道水が蒸発する際に結晶化したミネラル分(主にカルシウム)である可能性が高いです。
台所のシンクまわりが白っぽくなるのを見たことある?いわゆる「水垢」。
白くふわふわしているならカビの可能性が高い
カビか水道水のミネラル分かを見分けるポイントは、「ふわふわしているかどうか?」ということです。
- 白くてふわふわしている⇒カビの可能性が高い
- 白くて粉のような物質、ふわふわしていない⇒水道水に含まれるミネラル分が結晶化してものである可能性が高い
カビの場合はカビの胞子が室内に飛散することで健康被害を招く恐れもある。異臭を放つことも多いカビは早めの対処が必要だよ。
素焼き鉢のメリット・デメリットは?
素焼き鉢は一定の条件が揃うとカビが生えやすいというデメリットを持ちますが、植物を育てる上ではメリットが多いです。
素焼き鉢のメリット
- 通気性と排水性に優れる…素焼き鉢は通気性が高く水分を良く通します。そのため根腐れを起こしにくく根を傷めにくいです。
- 根がデリケートな植物に優しい…通気性に優れるため根が呼吸しやすくなります。根腐れを起こしやすい植物の栽培に向いています。
- 保温性がある…素焼き鉢は保温性があり、季節の変化や気温の変動から植物の根を保護してくれます。
- 自然な見た目…素焼き鉢は粘土を高温で焼き上げた鉢です。自然で温かみのある風合いが楽しめます。
- エコである…素焼き鉢は天然の素材であり、環境への影響が比較的少ないです。古くなった鉢は再利用やリサイクルが可能です。
多孔質な素焼き鉢は根が蒸れにくく通気性抜群。ついつい水を遣り過ぎてしまう人との相性抜群だよ。
素焼き鉢のデメリット
- カビや苔が生えやすい…多孔質のため適度な水分と空気を含むことでどうしてもカビ、苔、藻などが生えやすくなります。
- 重い…素焼き鉢はプラスチック鉢に比べると重いです。移動する際や植え替える際は注意が必要になります。
- 乾燥しやすい…通気性に優れるものの、土の中の水分が蒸発しやすく乾燥しやすいです。そのため、高湿状態を好む植物にはあまり適しません。
- 凍結に弱い…寒冷地域では素焼き鉢が水を吸収しやすく、凍結によって破裂する可能性が高まります。冬は保管方法に注意しなくてはなりません。
- 白華現象が起きやすい…長く使っているとどうしても表面に白い粉が蓄積します。室内の場合は剥がれたミネラル分が散乱して床を汚す恐れもあります。
カビが生えやすいというデメリットはあるものの、素焼き鉢には沢山のメリットがある。ちなみに使い込んだ風合いを楽しみたいなら「モスポット」がおすすめ。
使い込むほどに表面が削れ、苔(=モス)が生え、独特の風合いになる素焼き鉢。
この「使い込んだ感、風合い」をリアルに表現したのがモスポットです。
あえて使い古した質感に加工したのがモスポットだよ。ダメージ加工がこなれ感があっておしゃれ。
素焼き鉢のデメリットをカバーして室内でも清潔に素焼き鉢を楽しむコツ2つ
「カビ・苔が生えやすい」「乾燥しやすい」「白い汚れが付きやすい」
これら素焼き鉢のデメリットをカバーしつつ、室内でも清潔に管理するコツは2つあります。
素焼き鉢のデメリットをカバーするコツ①乾燥に強い植物をチョイス
素焼き鉢は素材自体が水分を吸収するため、頻繁な水やりが必要な植物をチョイスするとどうしてもカビや藻が生えやすくなります。
室内でも清潔に管理したいなら、素焼き鉢に植える植物は乾燥に強い種類をチョイスするのがおすすめです。
素焼き鉢におすすめ。乾燥に強い観葉植物はコレ
- サンスベリア
- ザミオクルカス
- ゴムの木
- ガジュマル
- パキラ
- シェフレラ(ホンコンカポック)
- 多肉植物、など
素焼き鉢に向かない観葉植物
- ポトス
- シンゴニウム
- スパティフィラム
- マドカズラ
- アジアンタム
葉が薄く繊細な植物は乾燥に弱い傾向。素焼き鉢だと土が乾くのが早いから、乾燥させすぎてしまう恐れがある。水を好む種類の植物は素焼き鉢で管理するのは大変かも。
素焼き鉢のデメリットをカバーするコツ②風通しを良くする
素焼き鉢は素材自体が水を吸収します。
そのため、風通しの悪い場所に置いているとカビや藻が生えやすいです。
窓を閉め切る時期はサーキュレーターをフル活用して
素焼き鉢を室内で管理するならサーキュレーターは必須です。
風通し良く管理することでカビや根腐れ、害虫の発生を防ぐこともできます。
素焼き鉢に関するよくある質問【Q&A】
ここからは素焼き鉢に関するよくある質問にお答えしていきます。
素焼き鉢に関するよくある質問①テラコッタ鉢と素焼き鉢の違いは?
素焼き鉢もテラコッタ鉢も粘度を成型して焼き上げた鉢です。
ただ、素焼き鉢とテラコッタ鉢では焼く時の温度に違いがあります。
素焼き鉢とテラコッタ鉢の違いは焼く時の温度にあり
- テラコッタ鉢…素焼き鉢よりも焼く時の温度が高く丈夫で割れにくい。ただ、通気性と吸水性は素焼き鉢の方が優れている
- 素焼き鉢…テラコッタ鉢よりも焼く時の温度が低くテラコッタ鉢に比べると割れやすい。ただ、通気性・吸水性はテラコッタ鉢よりも優れている
テラコッタとはイタリア語で「テラ(土)」「コッタ(焼いた)」という意味。素焼き鉢に比べるとデザイン豊富でやや赤味がかった色合いのものが多いよ。
素焼き鉢に関するよくある質問②カビが生えたらどうすべき?
素焼き鉢は鉢全体に目に見えない小さな穴が開いています。そのため、鉢自体が水分を吸い込むのです。
特に暖かい室内で管理している場合は蒸れやすく、カビが繁殖するための好条件となります。
素焼き鉢に関するよくある質問③駄温鉢と素焼き鉢の違いは?
見た目がそっくりな素焼き鉢と駄温鉢。
どちらも粘度を成型して焼き上げたものですが、その違いは焼く時の温度にあります。
- 素焼き鉢…駄温鉢よりも低い温度で焼かれる。駄温鉢よりも耐久性に劣るので高い場所に置く場合は破損に注意
- 駄温鉢…素焼き鉢よりも高い温度で焼き締められている。そのため、素焼き鉢よりも耐久性に優れるものの、通気性には劣る
素焼き鉢と駄温鉢の見分け方
駄温鉢と素焼き鉢ももっとも分かりやすい見分け方は「鉢の縁にツヤがあるかどうか」です。
- 鉢の縁がテカテカしている➡駄温鉢
- 鉢の縁がテカテカしていない➡素焼き鉢
素焼き鉢は駄温鉢よりも通気性に優れるよ。素焼き鉢は比較的乾燥を好む植物に向いているといえるね。
素焼き鉢に関するよくある質問④プラスチック鉢と素焼き鉢、迷ったらどっちにすべき?
プラスチック鉢と素焼き鉢。どちらか迷った場合は以下表を目安にしてみてください。
素焼き鉢とプラスチック鉢。どっちにするか迷った時の目安
植物の特徴 | おすすめの鉢 | 管理の注意点 |
葉に厚みがあって硬さもある | プラ鉢でも良いが「水を遣り過ぎてしまう」という人は通気性に優れる素焼き鉢がおすすめ | 明るく風通しの良い場所で管理することでカビ、藻が生えにくくなる |
葉が薄く繊細 | プラスチック鉢の方が管理が楽 | 水の遣り過ぎによる根腐れに注意 |
素焼き鉢に関するよくある質問⑤素焼き鉢にペイントすると植物の生育に影響ある?
素焼き鉢をペイントしてお好みのデザインに仕上げるのはとっても楽しいですよね。
素焼き鉢のペイントは見た目が可愛くなるだけでなく、カビや藻も生えにくくなるというメリットもあります。
ただ、素焼き鉢の最大のメリットといえるのが「通気性の良さ」です。
ペイントすることで通気性は悪くなる
素焼き鉢にペイントすることでせっかくの通気性が悪くなってしまう恐れがあります。
とはいえ、カビや藻が生えにくくなるというのは大きなメリットでもあります。
通気性の良さで素焼き鉢を選んだのであれば、ペイントすることでその特長が軽減してしまうことは理解しておこう。
素焼き鉢に関するよくある質問⑥素焼き鉢よりもさらに通気性の良い鉢ってあるの?
素焼き鉢は多孔質なため優れた通気性、排水性を誇ります。
ただ、素焼き鉢よりもさらに通気性・排水性に優れる鉢も存在します。
それが「Gyropot(ジャイロポット)」です。
3Dメッシュ構造の特殊な鉢。蒸れにくく多肉植物との相性抜群
Gyropot(ジャイロポット)は、通気性・水はけに優れた植木鉢です。
鉢の壁面は「ジャイロイド」と呼ばれる立体メッシュ構造。鉢全体が空気、水分を通すことで抜群の水はけと通気性を誇ります。
素焼き鉢の白い粉は何?白華現象とカビの違いは?清潔に管理する方法【まとめ】
- 素焼き鉢のメリットは「通気性・排水性に優れる」「根がデリケートな植物に優しい」「保温性がある」「自然な見た目」「エコ」
- 素焼き鉢のデメリットは「カビ、苔、藻が生えやすい」「プラスチック鉢に比べると重い」「乾燥しやすい」「凍結に弱い」「華白減少が起きやすい(白い物質)」
- 素焼き鉢のデメリットをカバーして室内でも清潔に使うコツは、「乾燥を好む植物をチョイスすること」「風通し良く管理すること」の2つ
- 素焼き鉢につく白い物質の正体は、素焼き鉢に含まれるカルシウム分や水道水に含まれるミネラル分である可能性が高い
- 素焼き鉢に黒っぽい斑点や緑色の物質が湧く場合はカビや藻である可能性が高い
自然な見た目がお洒落な素焼き鉢。デメリットを理解した上で室内でも清潔に楽しもう!