コーヒーの木の葉が全部枯れてしまった…。もう処分するしかないよね?
コーヒーの木が弱ってしまい、処分しようか悩まれている方。
ちょっと待って!もしかしたら「カットバック」で復活できるかもしれないよ。
今回は、筆者が実際に葉がすべて枯れ落ちたコーヒーの木を「カットバック」と呼ばれる剪定で復活させた方法をお届けします。
この方法で100%復活させられるというわけではありませんが、処分する前にぜひ参考にして試してみてくださいね。
コーヒーの木をカットバックしたけど芽が出ない!原因と対処法
コーヒーの木をカットバックしてみたけど、芽が出ずそのまま枯れてしまった。。(泣)
このような事態を避けるためにも、まずは失敗の原因を知っておきましょう。
時期が悪かった(適期は春~初夏)
コーヒーの木をカットバックするなら、もっとも回復力の高い春~初夏におこなうべきです。
寒さの厳しい冬場や、寒くなる直前にカットバックした場合、十分に回復する前に株が弱ってしまいます。
過剰な剪定
コーヒーの木をカットバックするなら、30cm~40cmほどに切りつめるのが一般的です。
あまりにも短く切り詰め過ぎると株が弱り、そのまま枯れてしまう恐れもあります。
土の劣化、根詰まりの放置
カットバック後にコーヒーの木が十分に回復するためには、水はけの良い健康な土が必要です。
2年以上植え替えていなかったり、根詰まりを放置していたりすると根が蒸れて株が十分に回復できません。
2年以上植え替えていない場合は、カットバックと同時期に、植え替えも済ませておくと良いでしょう。
病気や害虫の影響
病気や害虫が発生していると成長が阻害されます。特に害虫は柔らかい新芽を好んで食害します。
カットバック前に健康状態を確認し、必要であれば先に虫の駆除・治療を行うことが重要です。
水の与え過ぎ
カットバックによって葉が大幅に減った場合、新しい葉が展開するまでは土が乾きにくくなります。
葉が減ることで水分放出量も減るため、水を与え過ぎていると根腐れを起こすリスクが高まります。
水を与えるのは土が乾いてから。土が濡れている状態で水遣りを繰り返すと根腐れを起こしやすい。
葉が全部枯れたコーヒーの木をカットバックで復活させる方法
真夏の直射日光に晒されて葉が全部枯れたコーヒーの木
では、カットバック剪定でコーヒーの木を復活させた方法を時系列でご紹介します。
この方法で絶対にコーヒーの木を復活させられるとは限らないけど、処分してしまおうか迷っているなら一度試してみてね。
水やりを控えて土を乾かし気味にしておく
カットバック前の数日は水遣りを控え、土を乾かし気味にしておきます。
カットバックにより多くの葉を失う場合、しばらくは土が乾きにくくなるからです。
今回、筆者のコーヒーの木が弱ってしまった原因
- 真夏の屋外に出したままで直射日光が当たった➡すべての葉が葉焼け
- 不在期間が長く水切れを起こしていたことも原因のひとつ
- 35度を超える暑さに長期間にかけて晒されて体力が落ちていた
30~40cmほどの高さに切り戻す
切れ味の良いハサミを使い、幹を高さ30cm~40cm程度まで切り戻します。
今回は全ての葉が焼けて枯れていたため、カットバック後はほぼ幹だけになりました。
幹だけにする剪定を「丸坊主」とも言います
剪定にはいくつか種類がありますが、なかでもすべての枝葉を切り落とし幹だけにする剪定を「丸坊主」といいます。
丸坊主は植物に大きな負担がかかる。今回は9月になっちゃったけど、回復力の高い春~初夏までに済ませるのが理想的だよ。
明るく風通しの良い場所で管理
カットバック後は明るく風通しの良い場所で管理を続けます。
屋外の場合は直射日光を避けた半日陰~日陰、室内なら南~東向きの窓際がベストです。
14日ほどで新芽が出る
カットバック後、うまくいけば14日ほどで新芽が出てきます。
新芽が出てきたら少しずつ土が乾く速度が上がってくるので水切れに気を付けます。
新芽は害虫被害を受けやすい。害虫が疑われる場合は早目の対策を
新芽や若い植物は柔らかく栄養価が高いため、カイガラムシやハダニ、アブラムシなどの害虫被害を受けやすいです。
もし、葉が変色したり見覚えのない粒々が付いていたりしたら早めに取り除きます。
【おまけ】カットバックから2か月経過した様子
カットバック後、2か月もすれば葉がどんどん増えてきます。
コーヒーの木の生育適温は20度~25度くらい。極端な暑さと寒さに晒さない
カットバックの際に出来た切り口が見えます
コーヒーの木は極端な暑さと寒さが苦手です。生育適温は20度~25度程度。
美しい葉を保つためには真夏と真冬は十分注意しなくてはなりません。
カットバック前はあまりの惨状にこのまま処分してしまおうか…と思ったけど、無事に復活してくれて良かった!コーヒーの木は思っている以上に生命力が強い植物なんだね。
コーヒーの木の「カットバック」とは?
コーヒーの木の「カットバック」とは、コーヒー農園で行われる剪定の一種です。
カットバックは特にコーヒー木の枝を切り戻す方法として知られているよ。
コーヒーの木を高さ30cm~40cmに切り戻すのがカットバック
コーヒーチェリーが実ったコーヒーの木(ブラジルのコーヒー農場)
カットバックはコーヒーの木を健康的に育て、コーヒー豆の収量と品質を向上させるために行われます。
海外のコーヒー農園では、約4年ごとにコーヒーの木をカットバックしているそうです。
カットバックすることでコーヒーの木を若返らせ、安定した収穫量を得ることができるんだって。ばっさり切られても復活する生命力に脱帽!
カットバックすることで株の健康と美しい葉を取り戻す
一般家庭内でコーヒーの木をカットバックするのは「樹形を整えたい」「新しい葉を出させたい」などの目的がある場合でしょう。
コーヒーの木の葉が傷んだ場合、カットバックすることで新しい枝や葉を出させることもできます。
ただし、一般家庭内でカットバックに挑戦する場合は実施時期が超重要です。
コーヒーの木は寒さが大の苦手。カットバックするなら冬はもちろん、寒くなる直前の秋も避けて。おすすめは5月~6月頃だよ。
弱ったコーヒーの木を復活させる方法【状況別で解説】
コーヒーの木を復活させる方法はそれぞれの株の状況によって異なります。
ここでは、コーヒーの木が弱る時によくある原因別で復活させる方法をご紹介します。
コーヒーの木が弱った時の復活方法 ケース①寒さで弱った時
寒さで弱り気味のコーヒーの木
コーヒーの木は多くの観葉植物の中でも特に寒さに弱い植物です。
枯れないためには最低でも10度、美しい葉を保つなら最低でも15度は保ちましょう。
とにかく寒さを乗り切ること。春になったら調子を取り戻すことが多い
春を迎えて急に生育が良くなってきた
冬のコーヒーの木は「復活させる」よりも「現状維持しつつ寒さを乗り切る」ことに集中しましょう。
春になって暖かくなれば自然と生育も良くなってくるはずです。
コーヒーの木が弱った時の復活方法 ケース②直射日光と暑さで弱った時
真夏の直射日光ですべての葉が枯れたコーヒーの木。カットバックで復活
コーヒーの木は極端な暑さや強い光も苦手です。
一年を通して過ごしやすく寒暖の差が少ない環境を好みます。
屋外に置くなら遮光ネットは必須。水遣り後は高温に晒さない
夏は支柱を立てて上から遮光ネットをかけておくのがおすすめ
コーヒーの木を春~秋にかけて屋外に置く場合、遮光ネットはあった方が安心です。
うっかり西日に当たってしまうとアッという間に葉焼けを起こしてしまうよ。
葉焼けですべての葉が枯れてしまった場合は、今回ご紹介したカットバックを試してみるのもおすすめです。
コーヒーの木が弱った時の復活方法 ケース③根詰まりによって弱った時
コーヒーの木は春~秋にかけての暖かい時期に生育がさかんになります。
根詰まりを起こすと葉先が茶色く枯れてきたり、水やり後の水の吸い込みが悪くなったりしてきます。
春~初夏の暖かい時期に植え替えを済ませる。秋~冬の植え替えは控えるべき
最低でも2年に1回、理想は1年に1回春に植え替えるのが◎
根詰まりが疑われる場合、春~秋の暖かい時期に植え替えを済ませましょう。
ひとまわり大きめの鉢に植え替えるのがベストです。
ただ、寒くなる直前の秋の植え替えは避けた方が無難。とにかく寒さに弱いから、植え替え後すぐ冬だと回復前に弱ってしまうこともある。
コーヒーの木が弱った時の復活方法 ケース④害虫によって弱った時
何となく葉の色が悪い…ってときは、虫が付いていないかチェックしてみよう
コーヒーの木の葉がベタベタしたり、白い綿のようなものが付着している場合は要注意。
カイガラムシやハダニなどの害虫が寄生している恐れもあります。
葉がベタベタする、白い綿状のものがついている…見つけたら早目に取り除くことが重要
白い粉状物質に覆われた「コナカイガラムシ」
害虫を放置していると徐々に葉を変色させ、最悪の場合枯らされてしまうこともあります。
害虫は見つけ次第早目に取り除くことで、被害を最小限に抑えられます。
害虫は暖かく空気が乾燥する時期に湧きやすいよ。特に冬の室内は注意してね。サーキュレーターをまわして空気に流れを作りだすのも害虫予防に効果的。
コーヒーの木が弱った時の復活方法 ケース⑤なんだかよく分からないけど弱った時
原因が良く分からないけどとにかく調子が悪い…。
そんな時はまず、現在の気温とこれまでの管理方法から思い当たる原因を探ってみましょう。
弱った時期とこれまでの管理方法から原因を導き出す
- 春…生育が盛んになる時期。水やりは土が乾いたタイミングでたっぷりと。急に明るい場所に移動すると葉焼けを起こすため移動する場合は少しずつ明るさに慣れさせる。根詰まりしていないか確認する
- 夏…高温と強光に晒さないこと。屋外の直射日光に当たるとあっという間に葉焼けする。水遣り後、熱くなった床面に鉢を直置きすると根が煮えて根腐れを起こしやすい
- 秋…少しずつ気温が下がって生育が鈍くなる時期。水やりは徐々に間隔を空けて冬の寒さに備えることが大事。この時期に水をやり過ぎると根腐れを起こしやすい
- 冬…そもそも寒さで元気が無くなる時期。元気な株でも葉の色つやが悪くなることが多い。害虫が付いていないなら明るく風通しの良い場所に置いて寒さ対策を
なんとなく元気がないからと言ってすぐ肥料を与えるのは避けて。余計に根を傷めることがあるよ。まずは原因を探ってみてね。
コーヒーの木をカットバックしたけど芽が出ない!原因と対処法【まとめ】
- 株の状態にもよるが、葉がすべて枯れたコーヒーの木でもカットバックで復活できる可能性もある
- コーヒーの木は生命力が強い。弱ったから捨ててしまうのではなく、最後の賭けとしてカットバックに挑戦してみるのもあり
- ただし寒い時期のカットバックは×。適期は5月~6月頃(ただ今回、すべての葉が焼けてしまった状態で9月上旬に実施して復活できた。ちなみに近畿地方)
- コーヒーの木の調子が悪いときは時期とこれまでの管理方法から原因を導き出す
- 元気がないからと言ってすぐに肥料を与えるのは×。根が弱っている場合、吸いきれない養分を与えることで余計に根を傷めてしまう恐れがある
コーヒーの木をカットバック剪定で復活させたいときにあると便利なアイテムはこれ
☆★コーヒーの木を育てているなら1本は持っておくべき。切れ味のよいハサミで枝や幹にかかる負担を最小限に「剪定ばさみ」↓↓
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